突然の両後足麻痺は、特にミニチュアダックスフンドのような犬において椎間板ヘルニアという病気が原因で起こります。背骨(椎体)と背骨の間の椎間板というものがあり、クッションの役割を担っています。この椎間板の水分を失い脱水したものが、つぶされ脊髄側へ押し出されたときに発生する病気が、椎間板ヘルニアです。またごく少数ですがこの椎間板ヘルニアに合併して脊髄軟化症という病気が発生します。脊髄機能が徐々に失われ、発症すると一週間以内に死亡してしまう恐ろしい病気です。また両後足麻痺は、脊髄腫瘍や脊髄炎、脊髄梗塞でも発生します。
これらの脊髄の病気を見極めるためにMRI検査や脳脊髄液検査が有効であり、椎間板ヘルニアと診断された場合には、重篤症例は早急に(発症から48時間以内)手術が必要になります。
当院では、画像診断を実施後、早急な手術が必要な場合には、飛び出た椎間板の除去手術の実施も可能です。
他にも血栓症は猫を中心に起こりやすく同様の症状を示しますので、検査の前には、かかりつけの動物病院でよく、他の病気の除外のための検査を受けてから来院してください。